バッテリの容量低下が原因
-20℃を超えると、一般的なスマホのバッテリだと、(コールドスタート)起動後1秒で電源が落ちる。ウォームスタートだと話は別。リチウムイオン電池そのものを耐寒仕様には出来ないので、温めるしかない。具体的にはヒータを使い、内部温度を一定に保つ。民生品の寒冷地仕様品では昔から一般的にやられている手法だ。
どうやらロシアに提供されたイラン製のドローンには、この機能がないようだ。
中国は対策を実施中だろう。外部給電で内部を温め、ドローン射出後は、ドローン内部のバッテリに切り替える。熱は電池を急激に消耗させるので、稼働時間は大幅に短くなる。有名な某アニメを彷彿とさせるかもね。そう考えると、あのアニメはよく考えられていると思う。
温めるには、電池でなく別の方法が有効だ。例えば、灯油を燃料とする小さいカイロを入れるとかね。
実戦で得られた教訓は訓練では得られないノウハウとなる
日本の装備品が売れない決定的な理由がここにある。
フィリピンには対空レーダが売れたが、これはある意味、実戦を経験しているからだ。
フィリピンと同じく湿度が高い日本において、年中稼働が求められる。その実績がある。そして監視対象はロシア、中国の戦闘機。それを判別する為のアルゴリズムには過去の膨大な観測データが活かされている。つまりハードだけでは同じ性能にならない。
フィリピンの運用環境、ニーズと一致しているのだ。
米国が支援しているのは、このデータを入手する為でもある。
見た目には無償支援だが、実態はそれだけの見返り、価値があると判断しているのだ。