BASI-KRAMER’s blog

浜までは海女も蓑着る時雨かな

経済 ~日本の海底資源開発

夢はあった方がいいけど

 

細かい話は他を見て頂くとして、商業化するには採算性という高いハードルがあるのはよく知られているが、鉱物に含まれているであろう水銀・ヒ素の分離が出来ない可能性が高い。特に期待の熱水鉱床では間違いなく高純度で含有されている。

参考① P3


日本では水銀の分離は出来ない。正確にいうと、昔ながらの製法では環境基準を満足出来ない。仮に新しい製法が開発されても、生産時にはヒ素・水銀が発生し続ける。核のゴミの如く、どこかに保管しないといけない。誰も受け入れないと思うので、結局、海底資源開発の本格生産は出来ないという事になる。

 

これを解決するには、例えば海中または洋上で1次処理を行い、特定成分だけを分離して、残りはそのまま海底に戻すとか、有害物質の濃度を上げずに、現状を出来るだけ維持する工法を採用する必要がある。その工法を用いても、かなり高純度の含有がなければ、商業ベースに乗らないと思う。候補は残念ながら、ほとんどないだろう。

 

IT化されても地味な勉学が必要

 

大きな成功は大きく報道されるけど、それを支えているのは、地味な学問であったり、たくさんの試行錯誤だったりする。量子コンピュータとか、流行りの領域には優先的に予算が付くが、前述したような資源開発における地味だけど難しい課題にも取り組むべきであり、未来への投資と考えて、もっと予算を付けるべきだろう。

 

参考①

https://mric.jogmec.go.jp/wp-content/old_uploads/reports/resources-report/2011-11/MRv41n4-01.pdf