装甲車はやっと中進国並みに
世界を見ないまま、ガラパゴス島で過ごしたせいで、異質な進化を遂げた日本。
綻びは至るとこに表れている。
自衛隊が採用を決めたパトリアAMVは世界市場で競争しながら進化してきた。
様々なバリエーションがあり、各国の細かいカスタマイズにも応じる事が出来る。
オーストラリアなどでは、ボクサーに敗れているが、北欧・東欧を始め、各国で採用されている。
選定に敗れた三菱だが、担当者は自社製品のウリを問われた時、
『国内企業による高品質なサプライチェーン』
と答えていた。つまり、役人受けする仕様になってます、ということだ。
最近では韓国の防衛産業が活気づいている。低価格、柔軟なライセンス生産、短い納期など、大手が出来ない、ある意味ニッチ市場をターゲットとして、それに適合したビジネスモデルを、国を挙げて追求した結果だろう。正しい選択だと思う。
日本のC-2輸送機をUAEに売り込もうと、不整地試験を実施していたが、もともと機能として盛り込まれておらず、値段も高い。韓国は次期輸送機について、UAEの求める機能を盛り込むと表明しており、結果、日本のC-2はUAEには売れないだろう。
世界と戦う日本企業は、防衛部門からの撤退が続く
防衛費は大幅増額になり、国内企業向けにメンテナンス機器・弾薬も大量に発注されようとしている。価格に一定の利益を乗せる事も許可するとしている。世界と戦う国内企業には、ごく少量のガラパゴス装備を納入する余力がもはやないのだ。
横河、コマツ、ダイセル、住友重機、カヤバ、は撤退済みだが、島津製作所も撤退方針を表明している。年間売り上げは160億あるが、利益率は0.5%に過ぎない。
島津の撤退は、かなりのインパクトがあり、防衛予算大幅増額のトリガを引いたのは間違いない。
他上場企業も、一般消費者・株主からの視線を感じており、SDGsブームもあり、防衛部門から撤退したがっている。無責任な撤退はしないだろうが、子会社など作り、本体から切り離す可能性が高いと思う。
ガラパゴス島にお付き合いする時代は終わろうとしている。