POSシステム Point of Sales
POSとは、商品販売時の情報を記録・管理するシステムであり、商品のバーコードを光学的にスキャン、販売データを集計、在庫・売上など経営視点で活用できるデータとして提供する。
今でいうところのビッグデータ活用、今から40年前、ある日本企業がいち早く取り入れていた。
セブンイレブンは、コンビニ業界の先陣を切って、1982年に独自POSシステムを導入、以降、更新を重ね、2015年度からは、第7次総合店舗情報システムを導入。接客で使用するPOSレジは東芝が担当しているが、店舗業務管理はNECの専用機(GOT※1、ST※2)を採用と発表している。
レジ打ちの際に、見た目の年齢、性別を入力するのは長らく企業秘密であった。
※1 発注端末。補充する商品を注文する。
※2 在庫管理のバーコードハンディ。注文品の店舗入庫時にバーコードを読む。
競合のファミリーマートは、2023年にPOSシステムを更新、ストコン(ストアコントローラ※3)にNEC製品を、管理端末に外資系Zebra社のスマホ型バーコードハンディを選定している。セブンのGOT、STの役割を兼用していると推測する。
店舗業務支援システムを全面刷新! 2024年2月末までに全店舗へ導入 ~店舗業務の省力化および、店舗運営力の向上を促進~|ニュースリリース|ファミリーマート
※3 店舗オペレーションの表示から従業員の勤怠管理まで、すべてのデータ管理をPC上で操作する。最新型では従業員の多国籍化への対応などが進んでいる。
このように大手コンビニでは業務の効率化を徹底的に進めてきたが、それはあくまでも魅力ある商品を適正価格で届ける事が大前提であった。
近年、セブンのステルス値上げ、お弁当の上げ底や、紛らわしい印刷表示、偏ったサンドイッチなどが、SNS上で取り上げられ、大炎上する事態となったが、会社側は、”女性にうれしい食べきりサイズ”など、消費者の感情を逆なでするような対応で、誠実とは捉えられず、結果、客離れを加速させたように見える。今や、昼時はセブンよりも圧倒的にファミリーマートとローソンの駐車場が埋まっている。
かつてセブンの会長を務めた鈴木敏文氏は、POSシステムの導入を進め、商品開発から仕入れまでを変革させてきた。内紛のような騒動で会社を去った後から、セブンは船頭を失ったように見える。
巨額買収を仕掛けられている今、彼ならばどのような決断を下すのだろうか。