BASI-KRAMER’s blog

浜までは海女も蓑着る時雨かな

科学技術 ~H3失敗に思う

国力が示された結果

 

担当者は悔しい思いで今日は眠れないだろう。

今は、ゆっくりしてほしいと思う。

 

体制面の話は他に譲るとして、原因は以下が考えられる。

 

最初の中止時に確認された電気的スパイクに起因

 

電気部品は色々とあるが、ダイオードトランジスタ、ICなど、一般的には逆電流、逆電圧に極めて弱い。数十mVの電圧で壊れる物もざらにある。

冗長設計はされているだろうが、接地側(GND側)が不定になると、広範囲に影響が及ぶ。自分も経験があるが、GNDがぶれると、簡単にかつランダムにICが壊れてしまう。

電源系が壊れると電圧低下や、電流の増加となるので、ある程度見えるだろうが、ロジック系で使われる単純ICだと、流れる電流はuAレベルで、専用の監視ICがない限り発見は難しい。

 

全パターンのON/OFF確認はほぼ不可能なので、検出も困難だ。もちろん、インテリジェントICには、生存確認の機能がある。が、制御用のポートのみが壊れていると、見つけられないかもしれない。

 

最初の中止時の会見では、該当箇所にFPGAが使われているとの事だったが、これはロジックICを起こすと、単純回路でも数百万~数千万、単純マイコン並みだと億円単位になるので、コストダウンの為に採用したのだと思う。ただし、ノイズなど電気的特性は、ロジックICよりもはるかに脆い(壊れやすい)。

最初のスパイクが発生した時点で、1段目・2段目ロケットの電気部品が壊れていた、またはダメージを受けたのでは。それを見逃した、または1段目を切り離した時に、回路の不整合が顕著化して、とどめを刺した可能性がある。

従来設計のままならば、泥臭い作業がたくさんあるので、原因究明は困難かもしれない。

 

データサイエンスに基づく部品故障率の管理とか、AIによる弱点判定とか、そういう分野にも力を入れてほしい。が、打ち上げ数が少なすぎて、ほとんどやってない、やりたくても出来なかったのかもしれない。

 

色々と考えさせられる。