EMP弾頭用の高効率電圧変換技術の研究
調達情報に以下の記載がある。(リンク①)
ダイキン工業株式会社----------------------------------------------------------------------
本契約の履行に当たっては、超低損失磁心材料技術を取り入れたパルストランス整合回路の機能・性能並びに製造方法、試験方法及びそれらの設備等を熟知している必要があり、かつ、武器等製造法に基づく許可及び火薬類取締法に基づく許可が必要であり、公募を実施したが、応募者が契約相手方1者のみであったため。
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文中に出て来る『パルストランス』は、古くは第二次世界大戦においてレーダー開発部品として研究されてきた歴史がある。一般的には電力変換としての伝送と、情報伝送とに区別される。今回の研究が何なのか、全く分からないが、文中の火薬というキーワードに着目する。
EMP弾の仕組みの解説は色々されているので、譲るとして、原理の1つとしては、以下の図(リンク②)のように、巻き線に囲まれた内部に、巻き線と隙間があるシリンダーが置いてあり、そのシリンダー底部で爆発を起こすと膨張したシリンダーが巻き線と接触、電気的な短絡を起こし、それが前方に移動する事で磁場が圧縮され、電磁バーストが発生する。
EMP弾の軍事利用について
中国は核高高度電磁パルス(HEMP : High Altitude EMP)から軍事拠点やインフラを防護する取り組みを進めているが、同時にHEMP攻撃を重要な先制攻撃手段とて捉えている節がある。
台湾有事においては、台湾だけでなく、周辺に展開する米空母艦隊の能力を無力化する有力な攻撃手段として考えているのは間違いない。一般的にHEMPは人体への影響が小さく、人命に影響を与えず戦力を無効化出来るという点ではサイバー攻撃と通じる領域でもある。
この辺りの具体的な情報は全く出てこないので、推測するしかないが、防衛省が進めようとしている司令部の地下化には、対EMPも考慮されているのは間違いないだろう。
リンク① 調達情報
https://www.mod.go.jp/atla/souhon/supply/jisseki/rakusatu/xls/05kyoso_kijunijo.xlsx
リンク② EMP仕組み