BASI-KRAMER’s blog

浜までは海女も蓑着る時雨かな

時代遅れのF15近代化改修

ミサイルキャリアーとしての役割

 

国産ミサイル搭載へ

令和5年度行政事業レビューシートが公開されている。

https://www.mod.go.jp/j/policy/hyouka/rev_suishin/r05/rev_fin_r04/0030.xlsx

 

事業終了はR15年、2033年

事業概要には、国産ミサイルの搭載が明記されている。

 

(抜粋)

"近代化改修事業:現有のF-15に対し、探知能力の向上を図るための搭載レーダーの換装、戦闘状況表示能力の向上を図るためのデータリンク搭載、射程及び射角の拡大等を図るための国産ミサイルの搭載、所要電力量増大に伴う発電機の換装、発熱量増大に伴う空調システムの換装等、多岐にわたる能力向上改修を実施することにより、防空能力の向上を図る。
能力向上事業:F-15近代化改修機に対し、脅威環境下において残存性を高める電子戦装置の強化、多数目標を同時攻撃できるレーダーの更新及び搭載弾薬数の増加等の質的能力向上を行う。また、相手の脅威圏外から対処できるスタンド・オフ・ミサイル運用態勢を確立するため、F-15能力向上改修機に対しスタンド・オフ・ミサイル発射能力を付加する。"

 

電子戦EPAWSS搭載

alert5.com

ボーイングに4億7131万3000ドル(期限2028年12月31日)で発注済みの案件において、

日本への供与は無理と思われていた電子戦EPAWSSが盛り込まれる事になった。

 

EPAWSS は現行の米軍 F-15 用電子戦 TEWS と比較して、コンパクトで軽量とされていて将来の拡張性を確保出来ている。機能的には、TEWS 3機能(AN/ALR-56C、AN/ALQ-135 および AN/ALE-45 )を1つに結合。周囲の電波状況をスキャン、潜在的な脅威信号の判定と位置情報をパイロットに提供しつつ、脅威が特定された場合には、直ちに脅威目標の状況、例えば敵戦闘機の照射レーダ波なのかミサイルシーカからの電波なのか、に応じて妨害波を照射したり、チャフ・フレアディスペンサーを作動させるなど、リアルタイムで最適な自動シーケンスを実行可能にしている。

 

kaigo-sos.hatenablog.com

 

これにより、ステルス性のないF-15の生存性は飛躍的に高まり、陳腐化を避ける事が出来るだろう。

 

過去の記事

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当初計画は3240億円、後に5520億円まで膨張、予算計上が停止された。

LRASMの搭載見送りにより600億円程度を削減、改修コストの削減なども合わせて1540億円減の3980億円まで圧縮、予算化された。1機あたり45億円。68機で3063億円。初期費用が816億円。残りは試験・教育等の経費となる。2048年までのライフサイクルコストは、総額6,465億円と見積もっている。ただし、想定為替レートは、1ドル108円なので、現在の為替レート140円で単純換算すると、8,380億円となり、全体経費の暴騰は必至だ。

 

初期費用のうち、4億7131万3000ドル(期限2028年12月31日)は、

  ・システムインテグレート開発費

  ・訓練用シミュレータ4機の開発・試験・納入

として、ボーイングに発注されている。

 

搭載断念したLRASMに代わる対艦攻撃は、F-2に「12式地対艦誘導弾」搭載する代替策を進める。

 

近代化改修の主なポイント

 

・対地上ミサイル「JASSM」運用能力

 最大射程900km以上。ステルス形状であり、弾頭は、地中貫通弾/爆風破砕弾。電子戦妨害下においても、アンチジャムGPS、赤外線シーカーによる精密攻撃が可能。GPSジャマーに対抗する機能もあり、電子戦下でも高い効果を発揮すると思われるが、ウクライナには供与されていない。50発1.04億ドル※=166億円@50発=3.3億円@1発。円安で調達価格もうなぎ上り。※総額には訓練費、諸経費を含む。

・空対空ミサイル搭載数増加

 →令和5年度行政事業レビューシートにて、国産ミサイル搭載が可能と明記された。

レイセオン社AN / APG-82 V1 アクティブ電子スキャンアレイレーダ ※FMS

・BAE Systems社ALQ-239デジタル電子戦システム(DEWS) ※FMS

 →最新型のEPAWSS搭載が米国政府から許可された。

・ADCP IIミッションコンピューター ※FMS

・JMPS 統合作戦計画システム ※FMS

・ARC-210 無線機 ※FMS

・SAASM軍用GPS  ※FMS

・コックピットをF-15EX相当に更新

 

近代化改修したF-152048年まで運用想定だが、訓練環境が整うのが2028年なので、運用開始は2030年頃、68機が揃うのは、その先になる。2027年までに小松基地の飛行教導隊に8機が配備される。

 →事業終了はR15年、2033年 

 

その頃には周辺国のレーダ技術は進み、宇宙からの監視戦に移行している可能性が高い。地対空ミサイルも高性能化・長射程化しているのは容易に想像出来る。これだけの費用と時間をかけて、使える相手は北朝鮮ぐらいだ。なにがしたいのか理解に苦しむ。

 

日本ダメポ。

kaigo-sos.hatenablog.com

リンク:

https://www.mod.go.jp/atla/soubiseisaku/project/gaiyo_r040204.pdf