BASI-KRAMER’s blog

浜までは海女も蓑着る時雨かな

むらさめ・たかなみ型護衛艦の近代化改修

多機能レーダ等の装備化に関する技術調査 

 

が公示されている。

 

 

誘導対象のミサイルをA-SAMにするかESSMのままなのか、が不明なので議論が混乱しているが、新機軸としては、OPS-24(Lバンド)を、もがみ型に搭載したOPY-2(Xバンド)流用型への換装だろう。4面固定か回転式かだが、やれそうなのは、大型化して回転式だけでは、と予想している。この場合、現行FCS-2(Xバンド)は撤去されるか、残されるか、分からない。

 

VLSはMK41をむらさめ・たかなみ型14隻分が予算化されており、A-SAMとESSMを混載するならば、例えば以下のパターンが考えられる。

 

むらさめ型

中央のMK48x16セル → A-SAM×16セル

前方のMK41x16セル   → アスロックx12セル+ESSMx4セル(クワッド16発)

 

たかなみ型

前方のMK41x32セル → アスロックx16セル+ESSMx4セル(クワッド16発)+A-SAM×12セル

 

ここで問題になるのは、ESSMの誘導だ。もがみ型には国産A-SAM搭載が前提(と信じたい)なので、タレス社のESSM誘導アルゴリズムが入ってないと思われる。ESSM誘導にはこれが必要なので、ハードはOPY-2のままでも、アルゴリズムのライセンスは追加で必要になる。この組み合わせは初めてなので、それも含めた技術検討なのだろうか。

 

むらさめ型VLSの仕様上、中途半端な感があり、DDのアスロック16発を削ってまで、今更金かけて対空強化する意味ある?と思う。

MK48をESSMデュアル化する近代化改修を実施せず、MK41を近代化改修する意義が、MK48にA-SAMを搭載する為だとしても、しっくりこない。

 

個人的にはた、かなみ型に4面固定式OPY-2+A-SAMの組み合わせで、変わり果てた姿になってほしいけどね(笑。ああー、やっちまった的な。ないだろうけどね。

 

リンク:

https://www.mod.go.jp/msdf/bukei/t2/nyuusatsu/K-04-6100-0076.pdf

 

バイ/マルチスタティック追加

 

対潜機能の向上として、FFMもがみ型のOQQ-25をなにかしらの形で発展させたと思われる水上艦用ソナー・システムOQQ-26の調達が進んでいる。このソナーシステムは従来パッシブ型のみであった曳航式ソナーを、アクティブ音源となるVDSと組み合わせる事で、その反射波を自艦だけでなく、周囲の僚艦と情報共有、探知精度の向上を図るものだ。類似品は、仏タレス社や加ウルトラ社に存在するが、自衛隊の運用には合致せず、独自に開発した。特徴としては、TASS受波部に従来の圧電方式に換えて光ファイバーを用いる事で、受信周波数帯域の高周波化とライフサイクルコストの抑制を実現しているとされる。

 

調達価格は1隻あたり約7億円であり、むらさめ型たかなみ型、全14隻を改修する。これに伴い、全艦の艦齢を40年に延長予定であり、2035年頃まで現DDを運用する事になりそうだ。やがては、対艦ミサイルも能力向上型に換装、ネットワーク戦の礎を築いていくのだろう。

 

リンク:

https://warp.da.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/11339364/www.mod.go.jp/j/approach/hyouka/seisaku/results/27/pdf/jizen_01_sankou.pdf