BASI-KRAMER’s blog

浜までは海女も蓑着る時雨かな

国際 ~イスラエル事案

入念な準備

 

情報機関モサドもノーマークだった事から、とある勢力からの支援を受けながら、入念に準備を進めていたのだろう。発射された迫撃砲は3,000発以上でイスラエルが誇る防空システム、アイアンドームを飽和攻撃で無効化する意図があった。

 

イスラエル側からある程度の反撃を受けた時点で停戦交渉を持ちかけるだろう。タイ人などの外国労働者を含め連れ去っており、停戦交渉の材料となる。

 

サウジとイスラエルの接近に危機感

 

サウジは、パレスチナ和平が実現するまではイスラエルと関係を正常化しない立場だったが、米国のサウジ防衛義務と引き換えに、交渉を進めている。同時に敵対関係にあったイランとも正常化を進めており、ある意味、米国の政治力を利用・無視する使い分け外交を展開している。一方で長年の友好国であるUAEとの軋轢が表面化、カタール同様、経済的制裁も示唆しているとされる。サウジは厳格なイスラム国家であり自由化、娯楽提供、例えば特区での酒の提供、などにも否定的だ。この分野で早くから自由化を進めたカタールに対して経済制裁を科したのも、自身がイスラム国家の盟主という自負からだ。自由化の波が周辺国に広がっても、米国民がそれを支持しても、独裁統治を続ける自国サウジアラビアを、米国政府に防衛義務を負わせる戦略はなかなか面白い。

 

これらの国家間の政治駆け引きの中で、パレスチナ和平は徐々に隅に追いやられてきた。ガザ地区を実効支配するハマスの歴史は他に譲るとして、かつての抵抗の象徴から、ガザを支配する政治的な独裁組織の面が色濃くなっている。

 

派手な軍事行動の狙いが、国際社会に自身の存在を再度アピールする事で、中東政治の中心に立とうとする行為ならば、イスラム社会からの支持も広がらないだろう。

 

サウジは調停役を演出か

 

サウジは双方に自制を求める声明を発表している。影響力の誇示が狙いだろう。

今後は停戦交渉や人質交換などで、存在感をアピールすると思われる。