次期潜水艦にも搭載か
スタンドオフ防衛能力を構成する誘導弾ファミリーとして位置付けられていた、『島嶼防衛用新対艦誘導弾』は、一度プロジェクトが中止予定になったが、防衛予算の大幅増額を受けて、復活した。特徴は以下の通りであり、川崎重工のオリジナル技術が多数盛り込まれている。
・ステルス形状
・AIによる背景からの艦艇の抽出機能
・新KJ300ターボファンエンジン
ステルス形状について、RCS試験の写真を見ると、翼が米国のステルス爆撃機のように、レーダを乱反射させる形状になっているのが分かる。
新開発のKJ300ターボファンエンジンは、ターボジェットよりも燃費は高いとされる。ファン径を拡大しつつエンジン外径縮小に成功しており、推力は同規模エンジンの1.2~1.5倍で機動性も高く、かつ、大推力時の高燃費も実現している。この国産エンジン開発成功が、プロジェクト復活につながったと思う。
KJ300は派生型として無人機用エンジンが計画されている。計画されている無人機は、滞空型無人機は哨戒機P-1との連携を、戦闘支援型無人機は、次期戦闘機との連携を想定している。小型化されたKJ10を将来の空対地ミサイルへの採用も働きかけているとされる。
搭載プラットフォームとして、川崎独自の次期潜水艦のコンセプト図が掲載されている。VLSは見えないが、搭載スペース確保の為に、操舵がセイルでなく船体前方に配置されているのが興味深い。
防衛省ではこのプラットフォームをベースにして、アジャイル開発によるバージョンUPを迅速に進める為、構成部品のモジュール化を検討している。
通常弾の対地ミサイルは効果が極めて限定的だが、対艦ミサイルは中国が増強する空母打撃軍にとっても大きな脅威となる。
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