輸送機をミサイルキャリヤーに
整備計画に記載があった通り、日本版ラピッドドラゴンの試作が開始されている。
米国のラピッドドラゴンは、C-130用はコンテナ1個あたり6tube(6発)×2(max)=12発(max)。サイズは以下の通り。
Length 17 ft (520 cm) (approx.)
Width 8.4 ft (260 cm) for 6 and 9 tube configurations
幅は3発分で高さが2段(C-130,3x2=6発)と3段(C-2,3x3=9発)となっている。
対して、日本R6時点の試作品と思われるコンテナは長さ6m×幅2.7m×高さ2.5m、重さ7tとなっており、米国版よりも若干サイズアップしているように見えるが、同サイズと見なせば(クレーン運搬用のフック部分だけ大きいのかもしれない)、ミサイル数は米国版と同じになる。
https://www.mod.go.jp/asdf/gifu/acd/2024G-137siyousyo.pdf
C-2輸送機用誘導弾等発射システムの開発に係るデータ取得役務
川崎重工業株式会社
3.7億円
"本件は、航空自衛隊で保有するC-2輸送機からの誘導弾等の発射システムの開発に資するデータ取得役務等の調査研究である。
業態調査の実施時点において、当該調査研究に必要な航空機製造事業法に基づく事業許可を受けているのは、川崎重工業㈱である。
また、令和5年度「C-2輸送機用誘導弾等発射システムの開発に係るデータ取得役務」の契約希望者募集要領(防衛装備庁公示第167号 令和5年2月27日)により公募を行ったところ、応募があったのは川崎重工業㈱1社のみであった。該社から提出された資料に基づき、必要な許可及びデータ取得計画書を審査した結果、審査基準を満足しているものであった。
上記の結果、当該調査研究の履行能力を有し、かつ、契約締結の意思を表した川崎重工業㈱と随意契約をするものである。
輸送機用誘導弾発射システム(投下試験用)
19.7億円
"本契約の履行に当たっては、12式地対艦誘導弾能力向上(空発型)の空力性能、制御特性及び推進性能等を考慮したシステム検討並びにシステムの技術的成立性確認に適した空中投下物を製造できる技術・設備等を有している必要があり、公募を実施したが、応募者が契約相手方1者のみであったため。
(引用ここまで)
対象はC-2だけでなく、C-130も視野に入れているようだ。
C-2は配備数が少なく、不整地運用能力もない。後に、UAEからの要望で、試験は実施した。国内の運用に関してはC-2導入が進む事で、C-130の一部は余剰になっていると言われており、有効活用の面もある。
搭載するミサイルは、12式地対艦誘導弾能力向上(空発型)であり、R10年まで試作が実施され、R11年から量産開始となる。遅ればせながら、アジャイル開発による3シリーズ平行開発となっており、地発型が令和3年度から、艦発型が令和4年度から、空発型が令和5年度から、開発開始されている。
三菱がミサイル搭載コンテナの開発を実施、川崎がそれをC-2に搭載した時の想定データをシミュレーション、結果を見て運用可能か判断するようだ。試験用のコンテナは一発用だと推測する。6発積んでパラシュート開かなかったら、全部ダメになるからね。
先行する米国からのライセンス生産については、そもそも搭載対象のミサイルが全然違うので、試験は全部自分で実施、勝手に改造もできない、という事で、そのままでは無理であり、成功するかは不明だが、自国開発になるだろう。
C-2輸送機が計画22機に対して+1機されている可能性があり、ラピッドドラゴン用かもしれない。
話変わって、
階級章の略章,低視認性
という項目がある。スパイ行為や暗殺に対しての備えだろうか。
リンク:
調達情報
https://www.mod.go.jp/atla/souhon/supply/jisseki/rakusatu/xls/05zuikei_kijunijo.xlsx
12式地対艦誘導弾能力向上型(参考資料)
https://www.mod.go.jp/j/policy/hyouka/rev_suishin/r04/pdf/r04_sankousiryou_01.pdf