STOVL用バージ(はしけ)の整備に関する調査研究
神奈川県横須賀沖で作成されたメガフロート滑走路。1995年~2001年頃まで実証が行われていた。後、羽田拡張や、普天間基地の際に、話題にはなったが採用される事はない。実証は以下のフェーズ1,2で行われ、構造的には想定通りの良好な結果をおさめた言われている。(リンク①)
フェーズ1:幅20m長さ100mの浮体ユニット9つを海上で接合、幅60m長さ300mの浮体を作成
フェーズ2:フェーズ1の知見を基に、長さ1000mの浮体を建設、実際の飛行場として運用可能かを検証
羽田拡張の際にはメガフロートは有力な選択肢とされていた。が、当時、世界での採用例もなく、行政が造船会社だけでの入札を認めなかったという政治的な経緯もあり、不採用の大きな要因になったとも言われている。
設置環境としては、ある程度の波浪以下でしか安全に運用出来ない事がネックとされているが、運用面では、破損した際に復旧までに日数がかかり過ぎるのも大きなリスクとされた。つまり固定された軍事基地としてはあまりに脆いという事になる。
そのメガフロートでF35を運用可能か調査するという。後、IHIと3,400万円で契約している。
■STOVL用バージの整備に関する調査研究を公示 | 世界の艦船
外洋での運用はあり得ない。有事の際に、大型船が入港可能な湾口に、連接する形で設置、臨時の滑走路として使用する可能性が高いと推定する。これなら技術的な実現性は高い。
政治的には、南西諸島では、陸上滑走路の延長が検討されてはいるが、地元の反対もあり、建設は容易ではないだろう。同時に、大型船が入港可能な港も限られており、浚渫工事が検討されている。こちらは比較的実現性は高いと思われる。
港に停泊する護衛艦が管制及び基地防空を担えば、実用的な空港として運用する事が出来るはずだ。クリミア半島の港に停泊していた巡洋艦モスクワが重要な基地防空機能を担っていた例もある。
やがてはレゴブロックのごとく、港の周りに移動式の空港が現れるのだろうか。
リンク①