2019年 防衛白書において、生物偵察車はNBC偵察車に『機能担保を行いつつ用途廃止』とされていたが、そのNBC偵察車も2024年予算案で用途廃止が明記された。
NBC偵察車はそれまで別々の車両となっていたNBC対処を、総合的に対処可能な車両として計画された。開発にあたっては、例えば化学防護車のマニュピレータの操作性が最悪で使いものにならず、NBC偵察車では違う方式に改められるなど、各種の改善が実施され、エアコンも装備された。が、2011年の震災にはNBC偵察車は部隊運用が始まっておらず、現場投入されなかった。
化学防護車のマニュピレータ
後、生産メーカのコマツが防衛部門から撤退。当面、保守は実施とのことだったが、もともと多くの問題点を抱えていたとされるNBC偵察車に見切りをつける事になった。
米軍は湾岸戦争時にNBC車両を持っておらず、ドイツから慌てて輸入したが、
現在はストライカーの派生型を開発、運用しているようだ。
NBC偵察車の核となるシステムはイギリス他からの輸入であり、もともとNBC対処能力が高いパトリアに、外国製のシステムを乗せるのは特に問題はないだろう。ただし、最近のトレンドとして、ドローン活用は必要になると思う。この辺りをどうするのか、興味があるところだ。
リンク①
https://www.mod.go.jp/j/budget/yosan_gaiyo/2024/yosan_20231222.pdf