BASI-KRAMER’s blog

浜までは海女も蓑着る時雨かな

SH-60Kを救難機に改造の違和感

人手不足で空自に集約のはずが

 

海上自衛隊の救難ヘリは、空自に移管する方針であり、寿命に達したUH-60Jの除籍に合わせて部隊の廃止が続いている。と思っていたら、SH-60Kを救難機に改造して館山に配備するというニュースが。昨年、部隊が解隊されたとニュースになったばかりだが、今回の改造救難ヘリは硫黄島に配備する計画のようだ。

 

bonichi.com

 

世界最高価格であるガラパゴス仕様の哨戒ヘリSH-60K。その後継も世界最高価格を更新、1機100億円を超えるガラパゴス仕様(マシマシ)のSH-60Lの調達が始まっている。そんなに哨戒ヘリが余っているのなら、SH-60Lの調達を延期すれば良いだけだと思うのだが。

 

さかのぼって調達情報を見ると、改修費用は1機約5億円でのべ5機分を計上、初度費が別に約15億円かかっている。

 

この機体を数機だけ配備するにしても、パイロットに加えて、専任のクルー、整備士も必要になり、特別な訓練も実施する事になる。だが、空自のUH-60Jのような空中給油は出来ないので、進出範囲には制限がある。

 

 

2020年の予算請求では以下の記載がある。『SH-60K哨戒ヘリ3機を救難仕様に改修する。改修は可逆的のため、将来救難機が増勢した際には哨戒機に戻すこともできる』(引用:リンク①)

 

前述したように、予算効率化の為に救難部隊を空自に集約する方針は、防衛省が公式に発表している。『このほか、海上自衛隊及び航空自衛隊が担う陸上配備の航空救難機能の航空自衛隊への一元化に向けた体制整備に着手する。』(引用:リンク② P95)

 

それを反故にするような動きに、追加で税金を使っている。いったい、彼らは何がしたいのだろうか。

 

防衛予算は大幅に増額されるが、そもそもの部隊運用に無駄が多過ぎて、結局必要な戦力は揃わないままなのでは、との懸念が募るばかりだ。

 

大綱において有人哨戒SH-60Lヘリ75機、無人ヘリ20機の合計95機の範囲で整備を進めるとあり、75機の整備になんと7,500億円以上もかかる。イージスアショアが2隻買えてしまう金額だ。独りよがりの高性能でなければ良いのだが。SH-60LにはSLASが非搭載のままだろうか。

 

kaigo-sos.hatenablog.com

 

 

リンク①

www.jwing.net

 

リンク②

https://www.mod.go.jp/j/press/wp/wp2023/pdf/R05shiryo.pdf