Phalanx から SeaRAMへ
長年、護衛艦に搭載されているPhalanx はCIWSの1種。
日本では劣化ウラン弾は使用できないので、通常弾であるタングステン製弾頭となるが、20年前時点のコストは1発10万。発射レートは毎分3,000発か4,500発かを選択するが、自衛隊は米軍よりも発射速度を落とした毎分3,000発設定で運用している。搭載は500発~程度なので、毎回5,000万円~。奇しくも、これはSeaRAM1発のコストと同程度となっている。後のBlock1Bでは、センシングが追加されると供に、威力も約50%向上、手動による海上射撃モードも追加された。
現在は、より遠距離迎撃可能なSeaRAMへと移行している。SeaRAM初期型は、2発同時発射した時に、味方の熱源を追尾する不具合があったが、後に修正されている。米軍はランチャーのみのMk49を主に運用しているが、こちらは戦闘指揮システムとの連接が必要であり、自衛隊ではそれを不要とする独立したシステムであるSeaRAMを採用した。代わりに水上射撃は12.7mm機関銃RWSのみとなったので、威力不足とする指摘もあるが、主砲の127mmでの水上射撃は可能であり、割り切りだろう。
SeaRAMミサイル51発を含むFMS契約金額は55億円(1ドル100円換算)85億円(1ドル150円)となっている。