ワスプ級の次期型でありフライト0では航空機運用を強化、LCAC運用を廃止した。
が、現場の反対で(進水前から分かっていたはずだが)、3隻目からはフライト1としてLCAC運用を復活させている。ただし、LCACは2隻搭載、その分の倉庫、航空燃料も減り、マルチではあるが、中途半端な仕様になってしまった感がある。
メーカは設計を大幅に変更、外観上ではデッキ周辺の電子機器を刷新、フライト0よりもすっきりしたデザインとなり、甲板スペースを確保している。
自衛隊の将来強襲揚陸艦は、このフライト1に範を取って設計されるだろう。
フライト0
フライト1
防衛省は、ジャパン マリンユナイテッド(JMU)と「新たな艦艇に関する調査研究」を発注している。DDH,輸送艦および掃海母艦の機能を併せ持つ艦、将来の強襲揚陸艦をイメージしていると思われる。
フライト1に掃海母艦の役割もとの意図だが、あれもこれも、と任務を増やせば、その分、人員の育成に時間がかかり属人化が進んでしまう。ミッションごとにクルーを入れ替える方法もあるが、隻数はそんなに揃えられないだろうから、掃海機能は自衛手段の域を出ないと思う。
R4の防衛白書では、『多機能艦艇の在り方について検討の上、結論を得る』とされており、方向性については結論を出すようだが。
(P46抜粋)
海上から島嶼等に部隊を上陸させるための水陸両用車の整備や現有の輸送艦の改修等により、輸送・展開能力等を強化する。また、水陸両用作戦等における指揮統制・大規模輸送・航空運用能力を兼ね備えた多機能艦艇の在り方について検討の上、結論を得る。
https://www.mod.go.jp/j/press/wp/wp2022/pdf/R04shiryo.pdf
過去には企業の自主的なコンセプトが披露されているが、防衛省の意向が反映されているものではない。
基本的な仕様・兵装を予想してみる。
[仕様]
機関:CODLOG(巡行時はディーゼル電気推進、航空機運用時はガスタービン)
航空機:F-35×12機~16機+ヘリ
[兵装]
レーダ:建造時期により、もがみ(改)か、次期DDのSバンド+Xバンド
対空:A-SAM または A-SAM改
対潜:魚雷迎撃システム
CIWS:SeaRAM×2、哨戒艦の30mm×2を搭載と予想。RWS×6以上
ドローン運用、対ドローン防御が大きな課題になるのは明らかで、対空、対水上用として機関砲が搭載される可能性は高いと思う。お蔵入りした国産テレスコープ砲が復活するかもしれない。
呉の跡地に強襲揚陸艦が係留されるのはおよそ20年後だろうか。