アスロック専用VLSは変態仕様
資源高、円安で建造費が80億円増加している。VLSは別予算で計上されているが、当面は07式アスロック(07式垂直発射魚雷投射ロケット)のみを搭載するという。
07式アスロックはそれまでの米軍ASROCの射程約10kmを2倍程度以上に延伸したとされており、VLS発射技術の国産化も行われた。
一般的な仕様としてブースターで所定の距離を飛翔後、弾頭を切り離し、1次傘、2次傘を展開して減速する。着水前に恐らく1次傘と供にブースターを切り離したした後、2次傘で減速を続け、着水後に2次傘を分離する。どの段階の試作品かは不明だが、1次傘よりも2次傘の必要強度が大きかったので、減速幅はブースター切り離し後の方が大きいのかもしれない。安全機能として所定の領域から外れた場合、自動でブースターを切り離し、落下する。
技術試験において、前述した超音速からのパラシュートによる減速時に不明な挙動がありその解明と対策に時間がかかり、配備はあきづき型2番艦からとなった。
07式アスロックは試作品の試験写真が公開されているが、以降は写真、動画とも完全に非公開となっており、例えば動画紹介では『映像は対空ミサイルです』と注釈が付けられている。07式アスロックはOQQ-25と組み合わせて性能を発揮するように設計されたが、OQQ-25量産初期にはSN比悪化で性能が出ない問題があり、シグナルグランド強化により解決したとされる。
もがみ型9番艦「なとり」からVLSが装着されるが、07式アスロック×16発とされており、これは2回発射分となる。が、諸外国を見てVLSをアスロックだけで運用している国はなく、ガラパゴス日本らしいとはいえ、あまりに高価だと思う。
米軍の場合、輸送艦、揚陸艦では艦内スペースを確保する為に対空ミサイルをVLSでなく、ランチャー式で割り切って配置する例もある。もがみ型はアスロックだけならば、その為の技術試験は必要だが、ステルス形状にした、または未使用時にはステルスシールドで覆うようなランチャー式で十分だったのではと思う。
もがみ型のVLSを32セルに拡張できるか不明だが、そのスペースは無さそうであり、相変わらず将来の拡張性がないまま、今出来る精いっぱいで物事を進める癖が治らない。
日本ダメポ。