リンク①
令和6年の政策評価項目に、『無人回転翼機搭載レーダによる見通し外探知システムの研究』 があり、以下の様に記載されている。
(リンク①抜粋)
○ 効率性
遠距離探知センサシステムの研究試作の成果を活用することにより、経費抑制を図る。 また、特定の無人機に合わせて設計せず、1つのパッケージとして設計し、運用範囲、ペイロードが適合すれば、機種を問わず搭載が可能となるよう汎用性を確保することで、早期装備化が可能である。
○ 有効性
海面上を低空で飛翔する巡航ミサイル等の目標を母艦の見通し距離外において早期に探知し、追尾することが可能となる。
『遠距離探知センサシステムの研究試作の成果』とは、過去にかなりの費用と時間を投入して開発された「電波・光波複合センサシステムの研究」 の構成品であったAIRBOSS: Advanced Infrared Ballistic-missile Observation Sensor System (将来センサシステム) だと思われる。

リンク②
https://www.mod.go.jp/atla/research/gaibuhyouka/pdf/MixedSensor_24.pdf
AIRBOSSは弾道ミサイル検知の切り札的な位置づけであったが、開発途中で技術的な限界が明らかになり、それを補う為の追加研究がAIRBOSSⅡ※として実施されたが、目標性能には全く届かず、早期に終了した経緯がある。
※レーダとIRSTを連携させ、ノイズ成分を除去する事で探知距離の延伸を図った。
今回はその成果を活用して、艦上UAV機にAIRBOSS改のようなセンサとして搭載するようだ。

技術的な成立性はあると思うが、運用はご都合主義であり、絵に書いた餅に過ぎない。
そもそも、航続距離が短く、短時間しか飛べない小型UAVでは警戒出来る時間が限られる。敵が迫っている状況で、都合よくUAVを飛ばすことはまず無理だろう。そんな脅威下で、敵がミサイルを撃つのを待っている前提があり得ない。
無人回転翼機の母機が川崎K-RACER-X2とすると、カタログスペックでは連続運用可能時間は、1時間程度に過ぎない。 高度3,000mならば見通し外距離は約200kmにはなるが、マッハ5(時速6,000km/h)の極音速ミサイルの場合、対処時間はわずか2分(=200km/6,000km ×60分)。衛星コンステレーションが大本命なのは明らかだ。
米国は有人ヘリを無人化したファイアスカウトを採用、かつ実証後には、攻撃機能を廃止して警戒に特化した。これは出来るだけ長時間、遠方警戒する為であり、対象はレーダで補足し難い、例えば海賊、テロで使用される小型ボートを想定している。大きなペイロードを活かして機雷の施設も検討しており、明確な運用構想があっての機器の開発になっている。
防衛省の研究は、大抵がそもそもがあり得ない想定で、いつものように、”他国に例がないから開発します”、となっている。意味がないから事例がないのであり、ボツになるのは確実だ。僕たちの10年研究 ~そしてボツへ、に新たな章が加わる。
日本ダメポ。