小規模多機能型居宅介護
母親をなんとか共同生活に慣れさせようと、最初に選んだのが、小規模多機能型居宅施設、通称、小多機でした。
小規模多機能型居宅介護とは、介護保険制度で創設された地域密着型サービスのひとつで、同一の介護事業者が「通所(デイサービス)」、「訪問(ホームヘルプ)」、「泊まり(ショートステイ)」を一体的に提供します。
デメリットとしては類似のサービスを平行して使えない、専任ケアマネが付くので、もともと他のケアマネがいた場合、ケアマネを変更しなければなりません。
大前提として家族と共同生活できている状態で、自宅での生活を前提としたサービスと考えるべきでしょう。
施設に対する拒否感がなくならない
場所は近所でもあったので、電話して相談したところ、ケアマネさんから手一杯で無理です、とお断りされてしまいました。遠距離介護の窮状を訴えたところ、たまたまサービスを利用している方が近所にもおり、そのついでならば、という条件でなんとか受け入れてもらいました。感謝です。
スタッフの方々も献身的に母親に関わって頂きましたが、残念ながら、母親は共同生活に全く馴染めませんでした。
『自分は若い。ここには年寄りしかいない。帰る。』
週2~3回ショートステイを入れたのですが、まず家から出ない。
毎回、イヤイヤが始まります。連れ出すだけでも大変です。
むしろ、施設に対する恐怖心を増す結果になってしまい、私たちに夜通し電話をかけてくるようになりました。
『施設に入れられる。これから、飛び降りて死ぬ事になりました』
繰り返し訴えるようになり、電話を受ける親戚からは、すぐに会社辞めて地元で両親を介護するようにも言われたのですが、急にそんなこと出来るわけありません。病院に入れるのもダメだ、とも主張され、げんなりです。
認知症介護の大変さは経験した人にしか分かりません。