10年の歳月をかけて無事終了
ノロノロと研究・開発していた日英共同開発JNAAMが、欧州専門家の見立て通り、たっぷりと時間とお金をかけて、使い物にならず無事終了した。
高性能シーカを謳っていたが、小型化にあたり、所定の性能を発揮するには消費電力が大きすぎて、使い物にならなかった可能性が高い。
試射は、物理的にただ撃つだけの試射だろう。最大射程でシーカの性能を発揮する事は出来ない。つまり、消費電力が大きすぎて、最大射程に到達する前に、電池がなくなるということだ。期待した撃ちっぱなし能力は獲得出来なかった。
あいまいな目標を設定して、検証なしに突き進み、ダメになりそうだと終了というのが日本らしい。ASM-3と同じ運命。ASM-3は母機がF-2なので、無理やり改善版を開発しているが、JNAAMは母機がF-35なので結合テストの費用が比較にならないぐらい高額となる為、断念出来た。
空対空ミサイルはAAM-4で終わりか
過去に日本が開発したAAM-4はAIM-120(AMRAAM)に性能的に並んだとされているが、弾頭は約1inch(2.54cm)太く、重く、通信も複雑だったと言われている。当時からF-35に収まらない、そのまま使えないという課題は明白だった。
JNAAMを利用する事でサイズ的な課題は解決出来るので、AAM-4のシーカをダウンサイズして、日本が得意とする高出力素子を使用する事にしたのだが、この高出力素子の性能発揮には、大電力が必要であり、高出力だが、高効率ではなかった。高効率にならない要因が、素子そのものなのか、アクティブレーダの走査パターンにあるのかは不明だが。
防衛省の文中にも小型化には目途がついたとあるが、高出力に関しては記載がない事から、この課題が解決出来ず、解決の見込みもないのは明らかだ。
ここでやめると言うことは、F-2、F-15近代化改修機にも使える見込みがない、という事であり、日本の空対空ミサイル開発は、AAM-4でいったん終わる事になる。
このままの仕様ではF-3で陽の目を見る事もないだろう。
日本ダメポ。
参考
https://www.mod.go.jp/atla/soubiseisaku/project/gaiyo_r050331.pdf