BASI-KRAMER’s blog

浜までは海女も蓑着る時雨かな

去り行く74式戦車

装軌から相輪へ

 

冷戦時代の戦車がウクライナ戦争中に退役するのは時代の皮肉だろうか。

 

本州の戦車は全廃にする方針の元、16式機動戦闘車への更新が行われている。主な配備先は即応機動連隊と偵察大隊。もともと全国7個の部隊を即応機動連隊に改編する予定だったが、候補であった12旅団は即応機動連隊を編成していない。タイヤでは、アルプス山脈を登れないからだろうか。

 

即応機動連隊の前身は、即応近代化改編であり、冷戦が終わり、時代遅れとなった部隊の近代化を始めて20年以上かかって、未だに完了してないどころか、ドローンやサイバー、宇宙領域で完全に出遅れており、泣けてくる。

 

即応機動連隊を編成しない地域では、偵察隊と戦車隊を統合して、偵察大隊を編成している。23年度中は第9師団、第13旅団の戦車隊が廃止され、偵察大隊を編成後に16式機動戦闘車が配備される予定だ。

 

16式機動戦闘車の調達は約250両なので、間もなく終了し、共通戦術相輪車ファミリーの配備が開始される。人員輸送、自走迫撃砲、救急車型などが候補になっているが、別にパトリア製輸送車の配備も決定しており、ひと悶着ありそうだ。エンジン音が大きく耐地雷性能が低いという噂の16式機動戦闘車で威力偵察後、静かで耐地雷性能が高いパトリアで人員を輸送するドクトリンは流石は俺たちの自衛隊だね。なんともないぜ。

 

74式戦車を配備する戦車隊は滋賀県の第10師団が最後となる。退役日時は不明だが2024年以降の早い時期になるだろう。50年の月日が流れ、時代遅れのままだけど。