ゼロ距離射撃実施
これはゼロ距離射撃と呼ばれる試験であり、実際の訓練でも実施する。
戦場で積極的に用いる運用ではないが、緊急事態対処として、至近距離に入った装甲車や戦車に対して砲撃を行うものだ。かつては特別な砲弾を使って、発射してすぐに散弾をばら撒く運用だったが、今は近距離での水平射撃となっている。非常に危険なので、車両から離れた場所までロープを引っ張り、射撃する。
19式装輪自走155mmりゅう弾砲は旋回範囲が非公開であったが、これを見ると、左右90度まで射撃可能のようだ。車体中央部の普段ホロがかけられている部分に見えているのは、即応予備弾だろうか。下から取り出すと、レールに沿って上から落ちて来る仕様に見える。そうだとすると砲弾と炸薬は別で信管もないので簡単には爆発しないだろうが、ここも非装甲であり極めて脆弱だ。
正式配備まで5年
#今日のえび駐
— 陸上自衛隊えびの駐屯地 (@jgsdf_ebino) 2023年10月13日
西部方面特科連隊第3大隊は19式装輪自走155mmりゅう弾砲の展示が行われました。
FH70とはまた違った迫力と魅力を感じることが出来ました!#陸上自衛隊#西部方面特科連隊#19式装輪自走155mmりゅう弾砲 pic.twitter.com/7aD5lTN9E9
2019年に予算計上されたが、あまりに醜い仕様であり、どうやって使うのか、試行錯誤の末、ついに部隊配備が始まった。
耐地雷性能は皆無
防弾性能はほぼなし
NBC防御も皆無
ドアが布
GPS誘導弾なし → 試験用の砲弾は購入
ウクライナ戦争を見て分かるように、通常弾を穴だらけになるまで撃ちまくっても、命中率は非常に低い。過去に弾道修正の研究を実施していたが、いつも通りボツになっている。精密誘導弾であるエクスカリバーを購入して試験はするようだ。
迅速な陣地転換が可能としているが、ウクライナでは自走りゅう弾砲の高速移動中にドローン、ランセットで撃破されている。さらに直接攻撃でなくとも、移動中でも、そこら中に着弾するのが戦場であり、装甲化されてない装備は、全く使い物にならない。
調達から5年も経って試験完了とのことだが、本来は調達開始前に完了しておくべきであり、そもそもどのような運用を想定しているのか理解に苦しむ。
砲弾は自動、炸薬は手動の半自動装置を備えており、日米訓練の様子が紹介されている。