即応機動連隊に派生型も配備か
16式の派生型である歩兵戦闘車、機動迫撃砲の調達が始まる。今年は調達されなかったが、偵察警戒型も30mmの砲塔付であり、火力・装甲は大幅UP、生存性も高くなる。エアコン付けてくださいね。歩兵戦闘車は約150両、機動迫撃砲は約100両調達する計画であり、初年度は主に教育用だと思われ、各2個中隊分(中隊長分除く)ではないだろうか。
(リンク先抜粋)
歩兵戦闘車の量産単価※は約9.3億円、ライフサイクルコスト※は約2,615億円(約150両取得時)、機動迫撃砲の量産単価※は約8.6億円、ライフサイクルコスト※は約1,529億円(約100両取得時)
https://www.mod.go.jp/j/press/news/2024/01/25a.pdf
機動迫撃砲の調達数100を見ると、当初想定より、かなり増えた印象を受ける。ウクライナ戦争を見て、装甲型迫撃砲の有用性を認識したのだろうか。水陸機動団にも配備されると予想。一方で歩兵戦闘車の調達数150は過少に見えるが、これはパトリア810両調達も別にあり、装甲車の総数は960両となり、大幅増勢だ。ここには装軌分は含まれない。
即応機動連隊への歩兵戦闘車と機動迫撃砲の配備数を予想すると以下の様になる。
即応機動連隊
【16式配備数 予想】
本部 2両
中隊 1両+4両×3小隊=13両
中隊 1両+4両×3小隊=13両
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28両 6個連隊168両
偵察戦闘大隊 予想
本部 1両
中隊 1両+4両×3小隊=13両
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14両 7個大隊98両
16式機動戦闘車 合計266両+α(教育用)
(R6調達計240両)
【歩兵戦闘車 予想】
中隊 1両+4両×3小隊=13両
中隊 1両+4両×3小隊=13両
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26両 6個連隊156両
【起動迫撃砲 予想】
火力支援中隊 5両
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5両 6個連隊30両
水陸機動団 向け
特科大隊 5両×3中隊=15両
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15両 3個連隊45両
起動迫撃砲 合計 75両+α(教育用)
即応機動連隊の16式配備数は総数28両が基本であり、歩兵戦闘車の中隊分が同数とすると、6個連隊分は26両×6=156両となる。
火力支援中隊(野戦特科)の120mm迫撃砲RTを、機動迫撃砲に更新すると、
中隊5両として、5両×6=30両となる。3個連隊になる水陸起動団向けにも配備されるかもしれないので、3個連隊45両と合わせて75両。
予想を見ると、歩兵戦闘車の偵察大隊への配備分がほぼなくなってしまうので、定数の見直しがあるのかもしれない。しかし、分り難い。
機動迫撃砲にはフランスタレス社の2R2M迫撃砲が採用されるとの噂だが、周辺機器がどうなるかは不明。米軍は先進的なFCSと組み合わせたドラゴンファイア2を開発していたが、中止されている。精密射程延長弾 (PERM) を使用する事で、17 キロメートル (11 マイル) 先で20 メートル (66 フィート) の CEP (平均半径誤差)を実現していた。ただし、通常弾の2,000ドル(30万円、1ドル150円換算)に対して、PERM弾頭価格は 18,000 ドル(270万円、1ドル150円換算)とされた。
【偵察戦闘車 予想】
偵察中隊
13両x3中隊 =39両
偵察隊,偵察大隊
2両~4両x12小隊 ~48両
戦車連隊,普通連隊 ~24両
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~111両+α(教育他)
※計120両との報道あり
歩兵戦闘車、機動迫撃砲との基本仕様の違いとして、16式と同じく前方側面2か所にレーザ警告受信機と発煙弾を装備している。前方方向の警戒のみで後方及び上面は無防備となるが、レーザを使用せず画像で近づいて来る自爆ドローンには前方含めて全周防御の術がない。当面の対策は近SAM部隊との連携であり、やがてはレーザ化されるのだろう。
第10偵察戦闘大隊戦力化への道
2023年納車分は、エアコン装備、ソフトVerUPの最新版と紹介されている。
パトリアは日本製鋼所がライセンス生産することになった。当初は日立系を候補にしていたが、日立は辞退した可能性がある。防衛部門を経営的にどう捉えるのかが、分かれ目になったのは間違いない。どこまでライセンスなのか不明だが、エンジンは作らないと思う。
防衛省の資料では調達は派生型含めて810両。指揮通信車231両、96式装輪装甲車361両合わせた数よりも多く、軽装甲機動車の一部も更新すると思われる。もともと、装甲車不足の陸自は、ある意味、苦肉の策として、軽装甲機動車による装甲化を進めた。が、車体には余裕がなく、重装備の隊員を収納することが出来ず、ハッチから対戦車ミサイル撃つのも一苦労。後継車の選定は試験中であるが、戦略機動はパトリアで統一する目論見だろう。
パトリアは様々なバリエーションがあり、もしAMV型を導入したら、このようなシルエットとなる。カタログでは耐爆性能NATO AEP-4569 STANAG規格には、レベル5+まで対応可能と謳っている。