24時間戦えますか?
目の前に透明の液体で満たされた白い盃が、三宝に置かれている。
対面に和服姿の女性が座っていた。
女性は結った黒髪を短刀で切り取り、盃に放つ。
何かの儀式だろうか。
『飲め』
突然、師匠が現れ、私に命じたのだ。
『ぇええええええええ、これ飲むのぉおおお?』
と思ったが、飲まないとエライ事になりそうで、盃を手に取り、一気に飲んだ。
女性は伏し目がちな表情で何も話さない。
天照大御神って、モデルは人間だったのか。
ぼんやりとそう感じた瞬間、場面が切り替わる。
霧に包まれた寺院に、今度は2本の刀が三宝に置かれている。
『これはただの刀ではありません』
巫女さん姿の女性がそう告げた。
私は3本目と4本目の手で2本の刀を手に取った。
手にした瞬間、刀のつばから青白い炎が燃え上がる。
『これ、どういう原理なんですか?』
女性は居なくなっていた。
月に照らされた湖で自分の顔を見ると、黒い兜の額に青白い千里眼が映っている。
『きめぇえええええええええええええ』
慌てて、兜を外そうとしたが、
『取れねえぇえええええええええええ』
2本の刀を手にしたまま、2本の腕で兜を外そうと悪戦苦闘していた。
やがて、その姿で悪霊と戦う意味不明な夢を見始めることになる。
2010年、元幽霊の姉さんが背後霊になった年だった。