海上輸送部隊の新編
富士総合火力演習で紹介。機動舟艇が登場した。
今年開催された、DSEI Japanで、イギリスの船舶設計企業「BMT」が非常に良く似たシルエットのCAIMEN-90を展示している。つーか、同じじゃね?
https://www.bmt.org/media/3320/bmt-das-caimen-90-technical-spec_2019.pdf
CAIMEN-90
船長:30m
搭載:最大90トン
推進方式:ウォータージェット(エンジン)×3機
速力:40ノット(空)、22ノット(積載時)
船体はアルミニウムで軽量化されおり、スクリューがないので、ビーチングが容易、かつ、輸送船としてはかなりの速力だ。わざわざ機動舟艇という名前まで付けているので、もしかするとライセンス導入かもしれない。機動戦闘車だと3台搭載出来る。が、砂浜はタイヤ式ではスタックし易いので、議論が分かれるところだろうか。10式戦車なら2台、90式戦車でも1台搭載出来る。戻るときは40ノット出るので往復時の時間も大幅に短縮出可能。いっそのこと、100隻ぐらい並べて、MLRSや99式自走砲を海上砲台として運用しても、と夢が広がリング。
『機動舟艇の設計基礎資料の作製』
防衛省はR5年11月に入札を実施した。(リンク②)納品先は陸幕となっている。固有の武装はなく12.7mm機関銃を必要に応じて搭載する。運用要領や船自体の仕様である航続距離、搭載能力、防弾性は非公開となっている。
R6防衛予算で、陸自は機動舟艇3隻の取得に173億円を計上。全長約35メートル,搭載重量約60tとされており、CAIMEN-90と思われる。新編される自衛隊海上輸送群(仮)に配備。当初の部隊規模は人員約100名。発注済みのLSV1隻,LCU1隻を運用する。
もともとの構想ではLSV2隻とLCU6隻の計8隻だったが、機動舟艇の調達を受けて、LSV2隻、LCU4隻、機動舟艇4隻の計10隻に計画を変更、2027年度までに配備する。
建造費はLSVが53億7900万円、LCUが41億2500万、内海造船で建造中。機動舟艇が58億円なので、部隊運用の効率化、投資効果をみると、3種の船を配備するのは無駄に見えてしまう。R5年もLCU2隻を追加発注、計2隻を81億8400万円で内海造船が受注している。
2019年に東京で開催された展示会において、BMT社と当時の地域パートナー三井E&Sが共同でCAIMEN-90を展示していた。後、三井E&Sの造船部門は、三菱重工マリタイムシステムズとなっているので、建造は三菱重工マリタイムシステムズが有力ではないだろうか。
【建造スケジュール予想】
R4 LSVx1 LCUx1
R5 LCUx2
R6 機動舟艇x3
R7 LSVx1 LCUx1 機動舟艇x1
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計 LSVx2 LCUx4 機動舟艇x4
リンク①
リンク②
https://www.mod.go.jp/gsdf/dc/cfin/html/img/file123.pdf