開発費は1兆4,000円億ぐらい?
実現性はどうだろうか。最近の類似事例を見てみよう。
F-35 Blok4のアップグレード開発費は $15.14 billionと見積もられているが、間違いなく、超えると思う。1ドル=140円とすると、2兆1,200億となり、なんとF-3の初期開発費を既に超えている。F-35の累計の開発費は6兆円を超えるとも言われるが、要は初期のBlock1からBlock4までの累計の開発費を指している。
Block4アップグレード内容は多岐に渡っているが、コスト増加例を見てみると、
(1ドル=140円)
1.コックピットのアップグレード 462億円が増加
要因:新しい統合コアプロセッサとメモリユニットを採用したパノラマコックピットディスプレイシステムの開発において、ハードウエアの基幹インターフェース部分から新規設計が必要となった。
2.試験および実験室のアップグレード 436億円が増加
要因:Block1以降すべてのF-35に対して、新規の兵器試験が可能になるよう各種試験環境および実験室のアップグレードが必要となった。
2つの開発項目だけでも、各400億円以上も開発費が増加している。これは増加分であり、総開発費ではないので、凄まじく金がかかっている事が分かる。
初期開発費=総開発費でない
自衛隊は装備品のアップグレードをほとんどやらない組織だ。理由は簡単、金がないからだ。最も酷いのが陸上自衛隊。海、空は高価な装備品かつ、費用対効果が高いアップグレードのみ実施している。海はイージス艦のシステム更新が主、空はF-15近代化(後期型MSIPのみ)やパトリオットの機能追加が主であり、すべて米国頼みの近代化となっている。そして、それぞれの更新費は巨額だ。導入中のF-35のアップグレードをどうするか聞こえてこないが、何も更新しません、はないだろう。国内業務はF-2の機能追加を細々とやっているだけ。防衛費を大幅に増額して、主にミサイル開発に多額の予算を計上したのも、このままでは国内に何も残らなくなってしまうからだ。
報道されているF-3の開発費はあくまで初期型Block1の開発費であり、アップグレードの度に開発費を計上し続ける事になる。日本単独でそれをやるのか、今は分からないが、これまでのように初期型でアップグレードを停止するのならば、あっという間に時代遅れの機体になるだろう。