世界有数の掃海能力のはずだった
FFMの22隻建造により、長年掃海能力の中心であった掃海艦艇は12隻に縮小される。
10年後のR15年頃には、掃海艦艇はすべてFRP製となり、深深度担当のあわじ型(MSO)掃海艦9隻、浅瀬担当のえのしま型(MSC)3隻の計12隻となる。初期には18隻体制となっていたが、哨戒艦の導入でさらに削減された。
ペルシア湾での掃海業務で、名ばかりの掃海能力が明らかになり、外国製装備の導入と、国産品の開発を進めたが、結局、長々と開発し続けた国産S-10は、常に時代遅れで、えのしま型に搭載される3台だけが残される。
開発当時は『捜索と機雷処分が可能な世界初の装備』がウリだったが、それは世界がとっくの昔に通り過ぎた古いコンセプトであり、高価な母船を守る為、処分具を別に運用するという、次のコンセプトへと既に移行していただけなのだ。
S-10に関しては、良い評価を聞いた事がないので、きっと使えないのだろう。これらの苦い運用経験は、FFMに搭載される無人機雷排除システムへと継承されている。
【無人機雷排除システム】
・FFMから投入揚収可能な無人USV。EMDの運搬、FFM、OZZ-5との通信基地局
・FFM戦術情報処理システムと連接、USV、OZZ-5、中深度型EMDを遠隔で統合管制
USV(EMD込み?)は約10億円で、17セットを調達予定となっている。FFM建造数22隻と数が合わないので、全艦の標準装備になるわけではないようだ。
ヒントになるのは、令和5年度「無人機雷排除システムのマルチロール化に関する技術調査」の公募。世界各国で開発が進む無人潜水艦への対処を考えているのだろう。後期型5セットは発展型になる可能性が高い。
リンク:「無人機雷排除システムのマルチロール化に関する技術調査」
https://www.mod.go.jp/msdf/bukei/t2/nyuusatsu/K-05-6100-0016.pdf