BASI-KRAMER’s blog

浜までは海女も蓑着る時雨かな

経済 ~人もインフラも高齢化

人が死ぬまで何もしない国家

 

数十年前から、特に大都市部における予防保全が提唱されていたが、無策の国は何もせず、トンネル崩落事故を契機に、責任回避の面から方針だけを示している。

あくまで地方行政の責任という姿勢は変わっていない。

出典:国土交通省

https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/infra_roukyuuka/k_dai10/sankou1.pdf

 

結果、何が起きているかというと、各地方自治体ごとにバラバラの判断基準、それに合わせた意味不明な一品モノのシステムで溢れかえっている。

 

展示会で話を聞いてみると、例えば大雨における河川の氾濫警報一つとっても、自治体ごとに判断基準が異なり、また細かくカスタマイズを求められ、結果、同じシステムをそのまま別の自治体に納品出来ないという。ベンダーもパッケージ化して拡販出来ないし、毎度カスタマイズの為に、多額の税金が投入されている。

www.jma.or.jp

 

熟練工の技が継承されない

 

プラント管理でも問題になっているが、そろそろ危ないぞ、という判断は主に経験豊かな熟練工が実施してきた。コツコツと叩いたり、表面の様子を見て、中がどうなっているかある程度把握して、特に注意すべき箇所で検査していたが、それが出来なくなってきている。それを自動化しましょう、となるのだが取得したデータのどこを見て何を判断するのか、という基本的な技が継承されていない事に気付く。橋梁の非破壊検査ひとつとっても、構造ごとに、使われている材料ごとに、着目する箇所が異なるのだ。

 

予防保全は事後修理よりも高くつく、と言わるのはこれが原因だ。

 

今はAIによる画像判定などが盛んにアピールされているが、見えているものから、将来の破壊進行を予測するのは難しい。さらに、画像処理では表面しか見えず、非破壊でも浅い場所しか見れないので、一般的な検査で求められる50cm奥の鋼材の様子を見る事は簡単には出来ない。技術的にはコアサンプルをくり抜いて、調査する必要がある。

 

この辺りの技術開発に予算をもっと投入すべきだろう。