C390の圧勝
ペイロードは、C-2 36t(制限あり) vs C390 26t。当初コストはC390はC-2の約半分。
C-2 1機の購入費でC390が2機買えるので、勝負にならなかった。
C-2は純粋な輸送機だが、C390は空中給油機版KC390も用意されており、ブラジル導入機はすべてKC390となっている。一般的に空中給油機は人員、貨物を運ぶ輸送機としても使用できる。
オランダでは、C-130と競合したが、商談を勝ち取り世界を驚かせている。この時はライフサイクルコストで優位であるとされた。この時の契約金を円に換算すると、C390 235億円 VS C-2 298億円(R5実績)で微妙だが、C390の235億円は取得費用でなく、ライフサイクルコストを示していると思われる。
ブラジル リラは、世界でドルに対して優位になっている数少ない通貨でもあり、当初見込みよりもC390の輸出は苦戦していたが、ライバルよりも圧倒的に安く、かつ、細かいカスタマイズ、例えばNATO仕様への準拠などにも対応する事で、前述のオランダに加え、ポルトガル、ハンガリー、オーストリア、チェコとも契約に至っている。ポルトガルはC390の中胴などの製造に関わっていて、導入の決め手になったと思われる。
韓国もトライアルの末、採用を決めたとの報道がある。機体そのものだけでなく、様々なオフセット取引が決め手となったようだ。サウジアラビアに対しても最終組み立てとセットで提案しているとの事。イギリスBAEもこのプロジェクトに参画している。サウジは、10年以内に国防支出の50%を現地生産にて賄う方針を示している。
今さら言ってもしょうがないが、日本も防衛装備品を本気で輸出しようとするならば、バリエーション展開や、ユーザからのカスタマイズ要求にきめ細かく対応したり、アフターサポート体制の充実や現地整備のし易さ、といった点も非常に重要で、次期戦闘機では、当然考慮されるだろう。