もがみ型を象徴する統合化マスト
UNICORN(UNIfied COmplex Radio aNtenna)は、複合通信空中線NORA-50が正式名称。
NECが主契約者となり、三波工業の無線技術や横浜ゴムの電波透過性、耐雷性を両立したゴム製レドームが統合されたマストとなっている。
大きな特徴の一つとして、長年アンテナTOPに配置されたTACANが下部に配置されている。これはNECが世界に先駆けて開発した貫通型TACANの技術が使用されている。従来のTOP配置TACANの場合、近傍にある避雷針の影響で電波の死角ができるという欠点があった。NECはこの課題を解決する為、2分割構造かつ貫通部を出来るだけ大きくする為、アンテナ素子の外形を縮小するなど様々な工夫を施し、全周性能を確保すると供に、メンテナンス性も向上させている。
この貫通型TACANは2021年に就役したDDGはぐろに採用されている。TACANあった場所には、敵電波を探知するES空中線が配置されている。
アンテナ全体をレドームで覆う事で航空機で実績のあるダイバータストリップを配置する事が可能となり、避雷針が不要となった。
この分割型TACANは日本以外では実用化されていない為、このTACANを含めたステルス形状の統合化マストUNICORNのニーズは高いと思う。
リンク①
https://ssl.bsk-z.or.jp/cms/wp-content/uploads/2023/12/656d5712c5a984.37662590.pdf
リンク②
https://jpn.nec.com/techrep/journal/g21/n01/pdf/210116.pdf
リンク③