BASI-KRAMER’s blog

浜までは海女も蓑着る時雨かな

ウクライナ戦争 空の戦いへ

すぐに戦況を変えるのは難しい

 

米国は他国がウクライナに戦闘機を供与するのを認めるとのことだ。オランダのF-16×40機が候補になる。オランダはF-35への転換が進んでおり、もともとF-16は余剰となる予定だった。欧州ではルーマニアノルウェーから中古のF-16を購入しており、欧州全部のF-16が供与候補になるわけではないが、F-35を導入するベルギー、デンマークウクライナに供与する可能性がある。

 

戦闘機はウクライナ西国境ぎりぎりを飛行する米国・NATOAWACS早期警戒管制機により、誘導される。レーダ範囲は低空320km程度(対航空機500km以上、最新型はもっと伸びてるはず)で、低空捜索だとロシア国境まで、ぎりぎり届かない。ロシアがウクライナ支配地域に、戦闘機を飛ばせないのは、この為だ。ただし、結果としてロシア航空戦力を温存している事にもなっているが。米国としては、これらを根拠に、

 

F-16ウクライナ領土内でしか効果的に運用出来ないので、ロシア本土への攻撃には使えない

 

とのロジックが成り立つわけで、バイデン大統領もこれを根拠に承認したのだろう。

話がそれるが、米国は核搭載可能なB-52をルーマニア国境に飛ばしてる。ロシアへのけん制だ。いつでも撃ち返しますよ、というメッセージ。米国にハッタリは効かない。

 

通常弾はりゅう弾砲1発と同じ

 

戦闘機は運用コストが高い。地上目標をピンポイントに攻撃出来るが、破壊力はりゅう弾砲1発と同じだ。F-16のステルス性は高くないので、ロシアのレーダ網から、簡単に補足されてしまう。当面は対レーダ誘導弾で、地上レーダを破壊しつつ、地上部隊を支援すると思う。同時に、占領地域の司令部・弾薬庫・航空基地・海軍基地を叩く。こちらは効果がすぐに表れると思う。ロシアは戦闘機に加えて、クリミア半島の軍艦を後方に下げざるを得ない。空対艦ミサイルでアウトレンジから黒海艦隊を攻撃可能になるからだ。

 

現時点で実施する可能性はないが、ウクライナ領空にF-35を展開、F-16へ早期警戒管制する事も理論上は可能だ。

 

ドローンもステルス化の時代へ

 

ステルス化・自立飛行化されてないドローンは効果がなくなり始めている。米国も気づいていて、従来型のUAVをどんどん退役させようとしている。ステルスドローンは秘匿性が非常に高くなるので、日本も簡単には買えないだろう。自衛隊は、今年から慌てて従来型ドローンを購入するが、また周回遅れというわけだ。