BASI-KRAMER’s blog

浜までは海女も蓑着る時雨かな

現代戦と兵站

ジャストインタイム

 

湾岸戦争で米国が得た戦訓は、現代戦を支える先進的な兵站システムの必要性だ。

物資にRFIDタグを貼り付け、リライトデータの活用、一括読み取りによる作業の迅速性であり、これは長らく使われてきたバーコード・2次元コードでは不可能な技術領域であった。米国では航空機の部品管理にもRFIDが使われており、このシステムを導入してないと、そもそも仕事がもらえないほど標準化が進んでいる。そしてイラク戦争では、物流改革がいかんなく発揮された。今、宅配業界で叫ばれる、ラストワンマイル、はこの時、既に登場している。

 

新たな課題も生まれた。イラク戦争での戦死者の半分以上は輸送部門の事故だった。よって、有人ではなく無人機による輸送の効率化と安全性が追求されるようになった。無人運転・ドローンもこの延長線上にある。

 

専守防衛の限界

 

日本では米軍が来るまでも弾薬が持たない悲惨な状態で、今後10年かけて、最低限の備蓄を実現する事になっている。そもそも長期戦は想定されおらず、前線の装備もガラパゴスだが、後方の補給体制も脆弱だ。ウクライナ戦争において、米軍は正面装備だけでなく、後方支援の車両も大量に供与しており、流石だと思う。

 

軍隊は自己完結が原則だが、非対称戦においては、民間との柔軟な協業体制も必要だろう。自衛隊も、高速フェリーなっちゃんを借り上げ、実績を積んできたが、これが機動舟艇を含めた輸送部隊増強の必要性を痛感することになったのは間違いない。

小型・中型輸送艦や揚陸支援システムは、自衛隊のロジスティックス改革そのものだ。

kaigo-sos.hatenablog.com

 

米軍の真似が大好きな日本では、有名なエンジン企業が工程でRFIDを活用しているが、それ以外では、ほとんど広まっていない。自衛隊からも定期的に引き合いが来るが、RFIDは万能な技術ではなく、使い方に工夫が必要なのだ。その辺りの見極め方、が本当に下手だね。事故った潜水艦そうりゅうも、護衛艦いなづまも、修理に数年必要だ。

 

日本ダメポ