BASI-KRAMER’s blog

浜までは海女も蓑着る時雨かな

軽量戦闘車両システムの研究

無人車両UGVで復活か

 

2015年頃から研究していた軽量戦闘車両システムの研究。

いつも通り失敗して終わりかと思っていたが、無人車両UGVで復活するかもしれない。動画で改めて紹介されている。

www.youtube.com

 

2015年当時のコンセプトモデルを見ると、面構えがパトリアにも見える。

パトリア似? 出典:リンク①

選定結果 出典:防衛省

当時掲げた特徴は、

 ・インホイールモータ    日立製

 ・デユアルリコイル低反動砲 直接、間接標準可能

 ・耐爆シミュレーション   底面V字装甲

であり、車輪は6輪、質量15トンの軽量化を狙い、耐爆型は大型地雷にも対処するとした。指揮通信車は6輪13トン、96式装甲車は8輪14.5tなので、当時は重量級のつもりだったのだろうが、現代戦は見ての通り、15トン程度の装甲ではとても使い物にならない。ただし、当時は設計シミュレータ精度向上の為の部分試作、自主研究でもあったので、経費抑制の為、ありもので試作した経緯もある。

 

底面V字装甲は耐地雷に有効であると広く知られていたが、車軸周辺がデッドスペースになる為、防衛省はこの形状の採用を見送り続けた。インホイールモータを採用する事で車軸をなくし、車内スペースを有効活用できると考えていた。現在でも、例えば機動戦闘車ではV字装甲は採用せず平面の2重化装甲としているが、NATO耐爆レベル (AEP-4569 STANAG規格)がどれくらいなのか、公表されておらず実力は未知数だ。派生型はパトリアと比較して耐爆性能に劣るとされたとの話もある。

 

研究は時代の流れとともに消え去ったように見えたが、どうやら使い道があると判断しているようだ。パトリアのライフサイクルコスト算出の条件は、調達810両、運用期間は20年で7,930億円となっている。この20年という期間は短いと感じたが、次期型の国内開発を構想しているのかもしれない。

 

昨今の流行りで、無人化車両UGVを先行試作として部分的に実現する可能性はある。R5年の『装甲車両の近代化に関する研究』では、R6年からR9年まで研究試作を実施するとあるが、お得意の『僕たちの20年研究 ~そしてボツへ』とならない事を望む。

 

リンク①

https://www.mod.go.jp/atla/research/ats2015/image/pdf/o1-9.pdf

リンク②

https://www.mod.go.jp/atla/research/ats2015/image/pdf/o1-10.pdf