球形飛行体
2010年頃、防衛省は複数のユニークなドローン研究を推し進めていた。
秋葉で集めた11万円の電子部品で作った『球形飛行体』は大きな注目を集めた。
この試作機は2011年頃に作成され、特許4899069として特許登録されている。
以下はその構造の抜粋だ。
手投げ式偵察ロボット
2014年頃まで継続していた『手投げ式偵察ロボット』の研究。
(リンク抜粋:日本経済新聞)
2014年当時、11センチの球形、重さ670グラム。投げ込んだ後、構造が変形して移動する。無線通信で20~30メートルの操作が可能。動作時間は20~30分。マイクもあり音声の収集もできる。近赤外線を出すLEDも搭載しており暗闇であっても2~3メートル先なら撮影が可能だという。
無人偵察機JUXS-S1
ウクライナ軍が発砲スチロール製のドローンを使用した事は世界を驚かせたが、日本は10年以上前の2011年に部隊配備している。当時、手投げ式のドローンは世界的に見てもかなり珍しく、”日本文化である紙ヒコーキの発想だ”、とも評価された。扱いやすく、現場の隊員達からも、好評だったと聞いている。
本体は日立製であり、自立飛行とマニュアル飛行が可能で、飛行制御はラックに収めた機器で行う。パソコンはパナソニックのタフブックを使うなど民生品を多用していた。
夢があっても消えてなくなる研究
これらの研究は世界をリードする可能性があったと思うが、なぜにすぐ辞めてしまったのか、理解に苦しむ。現在はフジ・インパックの滞空型ドローンがたまに話題になるぐらいで、世界から完全に遅れてしまった。今や遅れてるのは、ほとんど全部だけどね。夢がない・夢を認めない国は発展しないね。
後日談
球形飛行体の類似品は2018年、フランスに採用されている。