夢で知らせてくれたのは
予知夢を経験した事は理解したが、私に夢を見せたのは誰なんだろう。
神様、仏様、ご先祖様?
あの日から5年経った今、背後霊の姉さん(元幽霊)じゃないか、と思っている。
12歳から36歳まで一緒だった元幽霊。
36歳の時、仕事の都合で1か月、福岡市内の壁が激薄いレ〇パレスで過ごした事があった。丁度、山笠の時期であり、暑くなる頃だった。
ある日、彼女がいつものように夢の中に現れ、そして初めて喋った。
『ここに居ても良い?』
24年ぶりに再会
振り向くと、彼女が立っていた。24年前、水面に映ったあの彼女がそこに。
白いハイヒールに白いスカート、ベージュのセーターを来た30代の中年女性。
霧の中、恨めしそうに、こちらを見ていた。幽霊だし。でも顔色悪いよ。
意外だったのは髪の長さ。
だいぶ長いのな?と思っていたけど、肩にかかるぐらいだった。
『まだ居ても良い?』
また問いかけてきた。
よく分からんけど成仏してね
『いいわけないだろうが!ダラダラ憑りついてんじゃねえよ!』
『喝だ、喝っぅうううううううう!!』
反射的に放った一撃で、彼女は後方に弾かれ、床に膝をついて倒れた。
彼女に近づいていく。とどめを刺すために。死んでるけど。
『やめてください』
涙を流しながら、私を見上げ、彼女は訴えた。
何も答えず、もう一撃放った。すまんな。
その瞬間、彼女の体は同心円状に砕け散り、破片の一つ一つが青白い人魂になって燃え上がり、一瞬で消えた。
目が覚めると、東の空が白みはじめていた。