BASI-KRAMER’s blog

浜までは海女も蓑着る時雨かな

88式地対艦誘導弾 と NMESIS

日本独自コンセプトのミサイル

 

冷戦時代、専守防衛という名の元、自衛隊は長距離ミサイルの保有は出来なかった。その中で度々批判されたのが、88式地対艦誘導弾の射程であった。当時、国会などでは、『隣国を攻撃出来る侵略兵器であり、直ちに廃棄すべし』、との指摘に対して、『本装備は、(主にソ連を想定)着上陸する敵を内陸部から撃退する為に、必要最低限の射程に制約している』旨の答弁が繰り返されていた。

 

88式地対艦誘導弾は、内陸部から沿岸海域に向けて巡行中の地上では低高度で地形追従、海上に出た後も低高度を維持、目標付近に到達後、終末誘導、アクティブレーダで目標を補足、突入する。後のバージョンUPで画像処理による軍艦識別も可能とされる。

 

発射前の敵位置情報は、沿岸部の配置したレーダからの情報に加えて、海域に展開するP-3Cなどの航空機からの音声による位置情報を、陸上自衛隊が火力戦闘指揮統制システムを通じて手動入力する。

 

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米軍はNMESISを運用へ

 

後に冷戦が終わり、本装備は時代遅れとの指摘が始まり、部隊は縮小されていく。が、しかし、安保環境の激変で再び増強が始まった。米国も自衛隊の地対艦ミサイル装備に着目、2019年には、HIMARSからNSM(ネイヴァル・ストライク・ミサイル)を発射しており、米陸軍として恐らく初めてとなる地対艦攻撃演習を公開している。

 

海兵隊は2023年にNMESIS(ネメシス)の運用を開始、2025年までに沖縄にも展開する見込みとされる。中国を念頭に、自衛隊の地対艦ミサイル部隊と連携する事になる。

 

NMESISはJLTVを無人車両化、対艦ミサイルNSMを2発搭載する。4輪車を無人化するという斬新なコンセプトで、機動性と生存性を高めている。必要だと判断すれば即座に採用、運用開始するのは、流石は米国だと言わざるを得ない。

 

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