BASI-KRAMER’s blog

浜までは海女も蓑着る時雨かな

予知夢② ~運命の扉

あの世とつながる時

 

父親が死ぬ予知夢を見た翌日、父親は死ななかった。

そこから認知症の両親の遠距離介護が始まり、ほぼ1年間、介護につきっきりだった。予知夢を見た翌年、父親は他界した。ほぼ1年間分、寿命を頂いた事になるのだろうか。

 

葬儀も終わり、暫らく経ったある日。

お寺の住職に、父親が死ぬ予知夢を見たのだけど、と話したところ、

 

『私は信じてませんが』

と前置きして、

『夢がこの世とあの世をつなぐ事がある、という説を唱える高僧が昔おりました。』

その僧侶はその界隈では有名人でもあると言う。

幼稚園で通ったお寺

色々と話した後、最後に『私は信じてませんけどね』

いや、そこは信じようよ、住職。

 

予知夢には伏線があった

 

父親が死ぬ予知夢を見る3週間前、実家の自室から知らない女性が出てくる夢を見た。階段を上って自室に向かっていたところ、ドアが自動で開いて女性がこちらに降りて来たのだ。女性は、とても古いデザインの黒い洋服を着ていた。

『何してるんですか?』

と話しかけたが、女性は何も答えずに、私を見つめて黙って抱きしめた。

 

その週、何の用もないのに帰省。帰宅翌日、父親が庭で座り込んでいた。

『大丈夫?』

父親は起こせとだけ言う。母親に確認したところ、いつもの事だと笑っていた。

 

この時は気付けなかったが、既に二人とも認知症が進んでいて、正しい判断が出来なくなっていた。